こんにちは、西野です。
5月6日、休みをとりまして、美輪明宏の舞台を鑑賞してきました。
題目は『毛皮のマリー』
作者は、俳人、詩人、演出家、映画監督、小説家、作詞家、脚本家、随筆家、評論家、俳優、写真家・・・
様々な肩書を持つ寺山修司。みなさんご存じ?
彼は自身の職業についてこう述べております。
「ぼくの職業は寺山修司です」
周りからは歌人だなんだと言われながら当の本人はこんなこと言っている。
初めて聞いたとき、体に電気が走りました。
地元の美術館にある、寺山修司の展示。私はその言葉を前にして、その場から離れられなくなりました。
私と寺山との出会いです。
高校一年のときでした。
劇作家でもあった寺山は美輪明宏とも交友があり、
この『毛皮のマリー』という作品は、寺山が美輪明宏の為に書いたものだそう。
私が生まれるうんと前から美輪さんに演じられてきた『毛皮のマリー』
私はこの作品を死ぬまでに一度は観たかったのです。
さて、ここまでお話ししたものの、
毛皮のマリー?なんぞや?
知らない方も多いでしょうからかなりざっくり簡単に説明しますね。
男娼であるマリーが穢れを知らぬ美少年・欣也を鳥かごで飼うようにして可愛がり、
外の世界は一切見せず部屋に美しい蝶を放してやり欣也はそれを捕まえては標本にする。
欣也は毛皮のマリーの意のままに育てられ、欣也はマリーに口答え出来ない。
しかしある日、マリーが家を空けた隙に、紋白という美少女が欣也を外の世界へと誘い出す。
一度外の世界へと出て行った欣也だが、最終的にはマリーのもとへ戻ってきてしまう。
こんな感じでしょうか。
切っても切れない親子の縁、歪んでいるけど海より深い母の愛。
これは親子の愛の物語。
寺山の母って息子である修司を溺愛していたんですよ。
母親としての愛情が異常なまでに強かった。
それに対して寺山も母への想いは強く、”母”に関する作品が多いのです。
そんなふたりの愛憎生活が、義母と養子という関係に置き換えて書かれているのでしょうね。
今回、舞台で美輪さん演じる毛皮のマリー、
本で読んでイメージしていた毛皮のマリーそのもので・・・
というとなんか違う。
やっぱりこの作品、寺山が美輪さんに書いた作品だけあって、
本で読んだときには既に毛皮のマリーは美輪さんでしかなかったのよね。
美輪さんが毛皮のマリーを演じているのか、毛皮のマリーが美輪さんを演じているのかってくらい、
美輪さん以外にしっくりはまる方はいない。
死ぬまでに一度でいいから観たいと思っていた『毛皮のマリー』
残酷で美しい親子の愛の物語、
私の拙い言葉ではうまく伝えられない・・・もどかしい・・・
あ、観に行って初めて知ったことがあるの。
物語に”美少女”って出てくるのだけど、
演じている方、男性なのよね。
他にも、”美女の亡霊”がたくさん出てくるのだけど、
例えば、クレオパトラとか紫式部とか白雪姫とかマリリンモンローとか・・・
演じている方、みなさん男性なのよね。
女性役は多く出てきますが、演者は全員男性です。
そういう部分も楽しめるから、舞台っておもしろいなぁとしみじみ思ったわたくしでした。
もちろん、観終わったあとパンフレット買って帰ったよねーーー。
『毛皮のマリー』、観ることが出来て幸せです・・・
もう三日前の話ですが、いまだに余韻に浸っております。
ぽわぽわしてます。すみません。
以上です。